ゲノム編集といのちの始まりへの介入 — 子どもを選び、人を作り変える遺伝子医療? —

 2013年に公表されたクリスパー・キャス9(CRISPR/Cas9)によるゲノム編集は人間という種のあり方を変えてしまう可能性を孕んだ技術である。

いのちを選ぶ医療はすでに行われており、胎児に対する検査で障害の要因が発見されると産まないようにする出生前診断は、ここ数年の間に日本でも広く行われるようになっている。体外受精でできた受精卵を遺伝子検査して病因のあるものを排除する着床前診断は今のところ日本ではごく限定的にしか行われていないが、許容される国々があり、日本でも増大する可能性がある。
さらに、世界を見渡せば、受精卵(胚)にゲノム編集を施すことで、疾患要因を取り除き、正常化しようとする研究も進められている。受精卵や生殖細胞にゲノム編集を施すことになると、それが次世代に受け継がれていくことになる。
こうした医療は子どもを選び、ひいては人を作り変えようとする医療である。19世紀末に優生学という名で「劣った遺伝子を持った人間」を淘汰しようとする科学が始められた。それはやがて、精神病者やひいては「劣った人種」を排除しようとすることで、優生学は悪しき科学、あるいは科学もどきと捉えられた。だが、今や「子どもを選び、ひいては人を作り変えようとする医療」が「新しい優生学」として肯定されようとしている。

ゲノム編集技術の医療応用が、こうした方向に進んでいくのだろうか。あるいはそれを防ぐための国際的合意を作る方向へと進んでいくのだろうか。むしろ、いま社会に必要なのは、障害者も健常者と同様の生活が出来る様に支援するべきノーマライゼーションの理念ではないか。政府の総合科学技術イノベーション会議や日本学術会議でも受精卵を素材とするゲノム編集の基礎研究の許容如何の討議が行われているが、会場の皆さんと意見交換しつつ、医学・医療領域におけるゲノム編集技術のあり方を考えてみたいと思います。

日時  2018年1月14日(日)13時15分~16時30分 13時開場
場所  日比谷図書文化館 日比谷コンベンションホール(大ホール
     http://hibiyal.jp/hibiya/guide_13.html
     (東京メトロ 丸の内線・日比谷線・千代田線「霞ヶ関駅」、JR「新橋駅」)
テーマ ゲノム編集といのちの始まりへの介入 —子どもを選び、人を作り変える医療?—

総合司会  島薗 進さん (上智大学大学院実践宗教学研究科教授)
講演  
利光惠子さん(立命館大学生存学研究センター客員研究員)
着床前診断―生まれる命を選別するということ― 
13時20分~14時00分            
   天笠啓祐さん(DNA問題研究会員) 
遺伝子医療とは
     14時00分~14時40分
勝木元也さん (基礎生物学者)
    人の人による選択        
       14時40分~15時20分
パネルデスカッション・パネリスト 利光惠子さん、天笠啓祐さん、勝木元也さん、島薗進さん
15時30時~16時30分     

資料代 1000円
主催  ゲノム問題検討会議   共催 DNA問題研究会
問合せ  神野玲子 E-mail  jreikochan@yahoo.co.jp 携帯番号 090-2669-0413
1月14日 (2)

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ゲノム問題検討会議発足にあたり      2017年7月17日 ゲノム編集や遺伝子操作の倫理性を中心に、現在の生命科学が人類に、また地球の生命全体に及ぼす影響を考え、いのちの尊さを重んじる人類社会と生物多様性を持続的に守っていくためにも、この問題を検討する必要があると思います。そのために何をすべきか、率直な多くの意見を出し合い、有意義な方向性を導きだすきっかけになることを希望し、ゲノム問題検討会議を発足いたしました。次世代以降に負の遺産を引き継がせないためにも、活発な議論をしていきたく、よろしくお願いいたします。 なお、今後も多くのご協力、ご指導、ご教示をいただきながら、この活動が将来にとって有意義な方向になることを望んでいきたいと考えております。         

ゲノム問題検討会議発足にあたり